工事現場で活躍する職種として、「足場工事職人」と「鳶職（とびしょく）」があります。高所作業をする仕事というイメージはあっても、「何が違うのだろう」と感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、足場工事職人と鳶職の役割や必要なスキルの違い、未経験でも求人に応募できるのかについて解説します。工事現場で働いた経験がない方でもわかるよう解説しているので、ぜひ参考にしてください。
 

足場工事職人の役割とスキルについて解説

実は、足場工事職人は鳶職の一種です。鳶職は、建設・土木工事現場で高所作業を担当する専門の職人の総称です。鳶職のなかでも、足場工事を専門に行う職人を「足場鳶」と呼びます。
ここでは、足場工事職人の役割とスキルについて解説します。
 

役割

足場とは、高所での工事を安全かつ効率的に進めるためにパイプや板などを使ってつくる仮設の設備です。高層ビルやマンションの高層階など、高所作業を行う建築現場では必ずと言っていいほど、足場を設置します。
足場工事職人の主な仕事は、足場の組み立てと解体です。足場を設置するための現地調査、図面作成、資材の発注、搬入といった業務も担当します。
作業に適した足場をつくることで、職人たちを危険から守りスムーズな工事を実現する、非常に大切な役割を担っています。

 

スキル

足場は一見すると、全て同じように感じるかもしれません。しかし、足場工事職人の腕によって足場の使いやすさ・安全性に大きな差が生まれます。足場工事職人に求められる主なスキルを紹介します。
 

コミュニケーション能力

足場工事職人は、基本的にチーム制で作業する仕事です。資材の受け渡しなど、お互いに声を掛け合って作業を進める機会も少なくありません。他の職人たちと円滑にコミュニケーションを取ることで、安全かつスムーズに作業を進められます。また、親方など役職が上がると、クライアントや資材業者をはじめとする関係者など、チーム外の人と接する機会が増え、コミュニケーション能力がさらに必要になるでしょう。
 

全体を見通す力

ただ足場を設置するだけではなく、設置現場の状態や安全性、解体時の作業効率など、工事全体に配慮した足場づくりが求められます。自分が今取り組んでいる作業だけではなく、その先の段取りまで考えられるスキルがあれば、高く評価されるでしょう。
 

体力

足場工事では、重い資材を運んで組み立てなければいけません。作業をこなすための体力は必須です。
足場工事職人には多くのスキルが求められますが、未経験歓迎の求人も多数あります。未経験からチャレンジし、現場で働きながらステップアップできる職業です。

 

鳶職の役割とスキルについて解説

鳶職の役割とスキルについて解説します。
 

役割

高所作業専門の職人である鳶職は、さまざまな種類の役割を担っています。ここでは、足場鳶以外の代表的な3種類の鳶職について、それぞれの役割を紹介します。

（1）鉄骨鳶
高層ビルやマンションといった大きな建物の建設現場で活躍する鳶職です。クレーンで鉄骨などの資材を持ち上げ、ボルトを用いて組み立てます。数十メートルの高さまで脚立などを登って作業する場合もあります。

（2）重量鳶
電気設備や工場の大型機械といった重量物の建物内への運搬・設置を行います。数十トン～数百トンもの重量物を運んだり、狭い入り口から搬入したりしなければいけません。また、精密機器を取り扱う場面も多いのも重量鳶の特徴です。

（3）橋梁鳶（きょうりょうとび）
橋や高速道路の高架などの鉄骨工事に携わる仕事です。河川・道路・鉄道のうえに橋を架けるため、足場のない高所での作業や船のクレーンで吊り上げた鉄骨の組み立てなどをします。
 

スキル

どの鳶職も足場鳶と同じく、コミュニケーション能力・全体を見通す力・体力は必須です。ここでは種類別に、特に重要なスキルについて解説します。

（1）鉄骨鳶
サイズが大きく重い鉄骨を高所で組み立てるため、クレーンに吊るす作業や鉄骨の取りつけを正確に行う高い集中力が必要です。また、鉄骨が落下するなどのトラブルが起きると人命に関わるため、プレッシャーが大きく、冷静さが求められます。

（2）重量鳶
鳶職のなかでも特に重いものを取り扱い、狭い搬入口から運び込むケースもあるため、数センチのずれが事故につながりかねません。さらに、少しの衝撃で壊れてしまうような精密機械を取り扱うケースも多く、正確に重量物を取り扱うスキルが求められます。

（3）橋梁鳶
山の中など特殊な環境の現場での作業が多く、工事規模も大きいため、より高度な技術が必要な職種です。また、他の鳶職は一般的に上方向に建設物を組み立てていくのに対し、橋梁鳶は横方向に組み立てていきます。そのため橋梁鳶としての経験を多く積み、特殊な作業に対応できる知識・スキルを身につけなければいけません。

いずれも専門スキルが必要ですが、未経験者を募集している求人も少なくありません。
 

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鳶職は、工事現場の高所作業に欠かせない存在です。鳶職のなかでも足場工事を専門とする職人を足場鳶と呼びます。足場鳶は、工事現場で働く職人の安全性と作業効率を支える重要な役割を担っています。
重要性の高い仕事であり専門スキルが求められるため、「未経験からのチャレンジは難しい」と感じるかもしれません。
しかし、足場工事ができる人材のニーズは非常に高く、未経験者の応募を歓迎している会社もたくさんあります。
もちろん当社でも、未経験者の採用実績が多数あります。ゼロから専門スキルを身につけられるよう、先輩たちがしっかりサポートするのでぜひ求人にご応募ください。